百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

MENU

本の紹介

店主所有の愛する本や新刊本を、それにまつわる話と一緒に贈ります。

人と料理

人と料理/馬場わかな アノニマ・スタジオ 料理なんて絶対にできないまま大人になると思っていたから、独り暮らしをしている時も、外食が多かった。多少自炊するようになった、と言っても、せいぜいがお米を炊いて、パスタをゆでて、カレールーを溶かして、と…

住宅読本

住宅読本/中村好文 新潮社 勉強して仕事に生かそうという意気込みがあったから、建築関係の本は多少高くても頑張って買っていた。割と高価な本が多く、ホントに読者泣かせだよなぁと思いながら読んでいた。中村好文の「住宅巡礼」「続・住宅巡礼」そして「住…

幸福論

詩集 幸福論/若松英輔 亜紀書房 若松英輔の詩集のなかでも、特にタイトルと詩の内容との強烈な結びつきを感じた1冊。自分にとっての「幸福論」とは何かということが、冒頭の4つの詩を読んで心に刻まれたように感じた。「余白」「多忙な人」「幸福論」「鞭を…

愛について

詩集 愛について/若松英輔 亜紀書房 表紙の赤がぐっと目に飛び込んできて、いろいろなものを想起させる。太陽。花。血。心臓。その赤をイメージしながらページをめくると、言葉に宿る赤い世界に、はっとする。言葉と印象が強烈に結びついて、心臓を震わす瞬…

見えない涙

詩集 見えない涙/若松英輔 亜紀書房 「詩」を読むことについては昔からずっと苦手意識のようなものがあって、なかなか味わえないように感じていた。その言葉が訴えかけてくるメッセージをきちんと受け止めきれずに、取りこぼしているような気が常にしている…

官房長官と幹事長

官房長官と幹事長/橋本五郎 青春出版社 前職で所属していた協会の法定研修で、橋本五郎の講演を聞いたことがあった。日本テレビのニュース番組でおなじみの、読売新聞の編集委員。優しい顔つきの五郎さんの生の話に耳を傾けながら、全く関心を持てなかった政…

「新しい郊外」の家

「新しい郊外」の家/馬場正尊 太田出版 都内に住んでいると、その便利さが当たり前になって、遠く離れたところで暮らすなんて無理、面倒臭いし不便だし、なんて気持ちになることがある。しかし昔はその「面倒くさい」「不便」が当たり前だった。そういう場所…

すべての雑貨

すべての雑貨/三品輝起 夏葉社 「あたなが好きと言っている本は、本じゃなくて、雑貨じゃないの?」そう言われるシーンを想像する。ろくに読みもしないのに本棚に並べて、リビングでその背表紙が常に見える状態にして、それだけで悦に入っている。何か雰囲気…

東京の美しい本屋さん

東京の美しい本屋さん/田村美葉 エクスナレッジ 都内に住んでいるので、ちょっと本屋へ行こうと思ったときの行先は自ずと、都内の本屋になる。とはいえ、人が多いところは昔から苦手でいまだに慣れないので、行く場所は限られる。あ、これ良さそう、と思った…

世界の夢の本屋さん3

世界の夢の本屋さん3/清水玲奈 エクスナレッジ ピースの又吉直樹が一番好きな本屋はどこかと聞かれて「おべんちゃらでなく、全部好きかも」と言っていて、本好きの器量の大きさに驚いた。海外旅行に行っても必ず現地の本屋に行く。照明の感じが良いとか、本…

世界の夢の本屋さん2

世界の夢の本屋さん2/清水玲奈 エクスナレッジ 海外の美しい本屋さんが集まる「世界の夢の本屋さん」。パート2はロンドン、パリのほか、東京や北京、リオデジャネイロの本屋さんも収録されている。日本の本屋さんも、キレイなんだなぁと感じる。 日本からは…

世界の夢の本屋さん

世界の夢の本屋さん エクスナレッジ 一時期、いろいろな本屋さんに行きたいと思っていた。世の中には行ったことのない楽しそうな本屋さんがたくさんある。大型書店も良いし、街の小さい本屋さんも良いけれど、それだけでは見つからないような本に出会えるか…

正直

正直/松浦弥太郎 河出書房新社 自分の気持ちに正直に、素直に行動しよう。自営業を始めるにあたって、そう決意した。もちろん、いままで嘘で自分を塗り固めていたというわけではないけれど、会社員である以上、自分の考えが通らないこともあった。もっとこう…

「死」が教えてくれた幸せの本質

「死」が教えてくれた幸せの本質 二千万人を看取った医師から不安や後悔を抱えている人へのメッセージ/船戸崇史 ユサブル 8年くらい前だったか。祖母の死に立ち会った。身近な家族の死に直面したのは記憶の限りで初めてだったから、うろたえるだろうと思って…

サステイナブルに家を建てる

サステイナブルに家を建てる/服部雄一郎 服部麻子 アノニマ・スタジオ 久しぶりに心から「読みたい!」と思って購入。「サステイナブルに暮らしたい」の著者による、オリジナルな家づくりを綴ったエッセイ。写真から、テキストから、自然素材の家のような温…

アマチュア論。

アマチュア論。/勢古浩爾 ミシマ社 プロであることに憧れ、プロであろうとしていたのは、社会人になりたての頃のこと。「プロ論」という本をむさぼるように読み、社会人になったからには、その道のプロになるべきだ、でないと堂々とお金を稼ぐことができない…

A River

A River/Marc Martin 2年前まで住んでいた千葉では、自宅のすぐ近くに川があった。週末、ジョギングをしようと走り出すときは、コースにこの川沿いの道を選んだ。信号もなく、止まらずに自分のペースで走りやすい、という理由ももちろんあるけれど、一番は、…

あなたと、どこかへ。

あなたと、どこかへ。/吉田修一 角田光代 石田衣良 甘糟りり子 林望 谷村志穂 片岡義男 川上弘美 文藝春秋 熊谷の棚貸し本屋「太原堂」で店番をしていたある日、他の店主の棚を眺めていてふと目に入ったのが、この本だった。日産のセダン「TEANA」のスペシャ…

ぼくらの家。

ぼくらの家。9つの住宅、9つの物語/光嶋裕介 世界文化社 尊敬する建築家・光嶋裕介氏による、設計した9つの住宅にまつわるエッセイ。すべて彼によって書かれたものだが、語り手がすべて異なる。時にはクライアントの子供に。時には住宅の近くに住む野良猫に…

EDNE

EDNE/junaida 白泉社 junaidaの絵本に出会ったのは、「Michi」がきっかけだった。エッシャーのだまし絵を思わせる立体的な迷宮の絵に、心を奪われた。その後junaidaの幻想的な絵に惹かれ、いろいろな絵本を手に取った。 最新刊は、ミヒャエル・エンデの「鏡…

ランベルマイユコーヒー店

ランベルマイユコーヒー店/オクノ修・詩 nakaban・絵 ちいさいミシマ社 コーヒーの美味しいカフェの店頭で、毎月第四日曜日に、本を並べて売っている。昨年8月に自営業をスタートし、翌9月から毎月。もうすぐ1年になる。テラス席に本を並べて、本を手に取っ…

みんなの家。

みんなの家。建築家一年生の初仕事/光嶋裕介 アルテスパブリッシング 建築家の光嶋裕介さんに興味を持ったのは、下北沢の本屋B&Bでのトークイベントに参加したのが直接のきっかけ(※)。ユースケサンタマリアといとうせいこうがMCをつとめるトーク番組「オ…

イノダアキオさんのコーヒーがおいしい理由

イノダアキオさんのコーヒーがおいしい理由/猪田彰郎 アノニマ・スタジオ 行徳のカフェニルで月に一度の出張本屋を行った。暑く、風が強かったので特に記憶に残る一日になった。ただ自身本を読みながら、本を手に取ってくれるお客さんを待ちながら、コーヒー…

条文の読み方

条文の読み方 第2版/法制執務・法令用語研究会 有斐閣 平日昼間は法科大学院で、法曹になるべく学ぶ学生を支援する仕事をしている。OBOGの実務家の方々の協力を得ながら、司法試験に合格できる法的な知識を授ける、その講座運営をする立場だ。改めて法律の世…

カケル建築家

Next Architect2 カケル建築家/遠藤秀平 編 学芸出版社 建築家が建築家になるまでのこと、仕事で考えていることなどを語ったインタビュー集の2冊目(※)。自分は建築家にはなれないけれど、建築家の考えを浴びて真似しようとすることはできる。その「真似す…

四谷コーポラス

四谷コーポラス/志岐祐一 松本真澄 大月敏雄 編 鹿島出版社 読書自体を楽しむこととは別に、勉強しようと思って背伸びして手にした本はたいてい、読むのに時間がかかる。しかし、手放さずにずっと手元に置いておいて、読みこなせるようになりたいという想い…

住む。No.69

住む。2019年春号No.69 株式会社泰文館 小さい頃は、平屋住まいだった。リビングから廊下を歩いたその奥に弟と共同の寝室があって、全て横移動で暮らしていた。高校入試の少し前くらいのタイミングで自宅の増築をした。弟との共同寝室の壁をぶち抜いて渡り通…

台所にこの道具

台所にこの道具/宮本しばに アノニマ・スタジオ 料理についてのエッセイで、特に台所まわりの道具と絡めたものが好きだ。食べ物に関することだけのエッセイだと「おいしそうだなぁ」で終わるのだけれど、そこに道具にまつわるストーリーが加わると、とたんに…

逆のものさし思考

逆のものさし思考/清水克衛 エイチエス株式会社 自営で、ひとりで本屋を始めようと胸に誓った時、実をいうとそれほど具体的なビジョンはなかった。個人という小さい単位で、本を売ることに奔走している人は、決して少なくないだろう。そんななかで、自分だけ…

サンドイッチブルース

サンドイッチブルース/森田三和 ループ舎 自営業の本屋ブログでできる限り毎日、本の紹介と、日記のようなミニエッセイを書こう、と決めたのは、昨年の8月のこと。自然体で書かれたエッセイ、日記集を読んで、そのようなテキストを残したいという想いを経た…