本の紹介
ころべばいいのに/ヨシタケシンスケ ブロンズ新社 嫌なことがあったとき。思い通りにいかないとき。他人の言動にイライラするとき・・・。そういうときの自分の心にやってくる、ちょっとした悪魔的な感情を、多少オブラートには包んでいるものの、サラっと、…
毎日、一輪。はじめて花・葉・枝を生ける人のための手引帖。/小野木彩香 エクスナレッジ 以前、タレントのユースケ・サンタマリアさんがテレビ番組で「ぼく、一輪挿しが好きでね、部屋に花を途絶えさせたことないです」と言っていて、素敵だなと思った記憶が…
幸せに長生きするための今週のメニュー/詩:ロビン・ロイド 絵:中川学 ミシマ社 休日。いつもよりちょっと遅くまで寝ている。日中の時間が短くなるけれど、まあどうだっていいや、と一日の始まりから諦めモードだ。身体がうずうずしてきて「そろそろ立たな…
月と散文/又吉直樹 KADOKAWA エッセイ集「東京百景」(※)を読んでなおのこと又吉直樹のことを好きになったのは、数年前。「秋の夜を走り抜けながら澄んだ空気の薫りが強くなったら、そこが仙川だ」当時仕事で仙川にはなじみがあったから、その言葉には妙に…
ここはおうち/ぶん:谷川俊太郎 え:junaida ブルーシープ いま自分が暮らしている家を、自分が住むだけでなく、他人と共有したい。そうした想いは少し前からあって、何かの折に実現させたいと思っている。その一つの形が、自宅に招待して本棚の本を自由に見…
おとなのきほん 自分の殻を破る方法/松浦弥太郎 PHP研究所 どのような大人になりたいか。自分にとっての理想の大人の定義は何か。それを真剣に考えるようになったきっかけは、いとうせいこうとユースケ・サンタマリアの「オトナの!」だったと思う。「オトナ…
今日もごきげんよう/松浦弥太郎 マガジンハウス お笑いコンビのダイアンの漫才で、大好きなくだりがある。警察官に職務質問されるというシーンで、「ありがとう」「なにがありがとうなんですか」「『ありがとう』って手帳に書いてんねん。今日一日に何回言え…
自分で考えて生きよう/松浦弥太郎 中央公論新社 「ちったあ自分で考えろ」なんでも他人に聞く人が怒られるときの常套句だ。イヤーな言葉だなぁ、と感じるようになったのは、だいぶ前だ。考えても分からないから聞いてるんじゃないか、と反論したくなる。ただ…
時を重ねる家。古い家を直して、育てる。あたたかな暮らし/エクスナレッジ 大学で建築を学び、設計の仕事をしたいと思っていた自分が想い描いていた具体的な仕事のイメージは、「無から新しい建物を建てる」ということだった。大学時代は、そう思っていた。…
文にあたる/牟田都子 亜紀書房 平日は法科大学院で事務の仕事をしている。主に課外講座の運営をする事務室で、今月、司法試験と同様の日程で行う模擬試験がある。多くの受講者が集う人気講座だ。 問題文とその解説を、OBである実務法曹の方々につくっていた…
世界の町で楽団員を探そう!オーケストラ/作・絵:クロエ・プラルノ 訳:うちださやこ 暮らしを彩る書籍を多数発行するアノニマ・スタジオから、美しくて面白い絵本の情報が届き、仕入れた。カバーのない素材感ある紙の表紙にそのまま描かれた、オーケストラ…
WHEWE'S WARHOL?/作:Catherine Ingram 絵:Andrew Rae yack yack booksの絵本の定期便で届き、大切にしているのは、アンディ・ウォーホルを探す絵本。日本では「ウォーリーを探せ」が有名か。そのアンディ・ウォーホル版。 ニューヨークに実在したディスコS…
100日間おなじ商品を買い続けることでコンビニ店員からあだ名をつけられるか。ビスコをめぐるあたたかで小さな物語/与謝野 光文社 すさまじく長い題名の本。蔵の本屋で見つけてつい手に取った。単行本1冊のボリュームを半日で読み終えたのはずいぶん久しぶり…
かわいいことりちゃん/作:コナツマキコ 絵:コナツコウイチ ニジノ絵本屋 正月、実家に帰省した時に、久しぶりに3歳の姪に会った。しばらく見ないうちに、と言っても1年くらいのことなのだけれど、大きく成長していて、驚いた。可愛らしい姪とのやりとりは…
パスタの本/細川亜衣 アノニマ・スタジオ 自分で料理をつくることは、独り暮らしを始めた頃に比べれば増えたのだろうけれど、それでも多くはない。たくさんつくれたら楽しいだろうなあと思っても、じゃあつくれるようにしよう、と実際に行動に移すまではして…
苦しかったときの話をしようか/森岡 毅 ダイヤモンド社社会人になってから16年以上通い続けている美容院で、本好きのマスターからすすめられ、手に取った。USJの再建に貢献した経営者が、自身の娘に「働くことの本質」を伝えるための手紙だ。働くとはどうい…
新年明けましておめでとうございます。今年も皆様にとって幸せの多い1年となることをお祈り申し上げます。 一昨年8月からスタートした本を扱う自営業。昨年で1年が経ち、2年目に入りました。たくさんの縁に恵まれたと感謝の気持ちでいっぱいである反面、当初…
読書と社会科学/内田義彦 岩波書店 黄色い表紙の岩波新書を新品で購入したのは、もしかしたら初めてかもしれない。わざわざネットショップで、送料を費やして買うなんて無粋だったかな。街の古本屋で探して買った方が良かったかな。買ってから後悔したけれど…
継続するコツ/坂口恭平 祥伝社 本屋仲間(?)がSNSで紹介しているのを見て、久しぶりに「これは読まなきゃならない本じゃないか」と直感し、すぐに買った。建築家、作家、画家、など様々な顔をもつ著者による「継続するコツ」。2004年に初めて本を出版して…
TALK/The Worthless 絵:かげやましゅん ニジノ絵本屋 相模湖にある古民家カフェ「たねまめ」が主催するマルシェ「たねまめマルシェ」に初めて参加したのは数年前。落ち着いた場所にある古民家の庭に、たくさんの手づくり作家さんが集まった。そのたねまめマ…
OPEN The Worthless ニジノ絵本屋 本にもう一つ何か別のものをくっつけて、セットにしたらどうだろう。そんな欠片のようなアイデアをもとに、あれこれ考えている。ただ本を単品で紹介してもなかなかうまくいかない。品揃えでは大型書店に到底かなわない。で…
アルヴァ・アールトの建築 エレメント&ディテール/小泉隆 学芸出版社 ブログ、ジョギングと並んで、毎日必ずやることとして「勉強」を掲げたのは先月のこと。一日10分でもいい。少しの時間であっても、必ず知識を得て考える時間をつくることを意識している…
砂漠/伊坂幸太郎 実業之日本社 大学は、自分から進んで学ぶところである。だから勉強が嫌いではやっていけないし、そもそも入学するのが難しい。仮に何かの手違いで入学できたとしても、卒業するのはもっと難しい。勉強が好きで、高校までの勉強では物足りな…
富士山はいつ噴火するのか?火山のしくみとその不思議/萬年一剛 筑摩書房 中学生、高校生の時、理科の分野の中でも地学が好きだった。あまり周りに共感してもらえる気がしないのだけれど。岩石とか地層とかそういう話が特に大好きで、水を吸収するスポンジの…
きょうのぼくはどこまでだってはしれるよ/荒井良二 NHK出版 著者の絵本を始めて知ったのは、本当につい最近のことだ。絵本の読み聞かせイベントがあって、そこで置いてあったのを見た。タイトルは忘れてしまったけれど、ぼんやりとした絵と、フリーハンドの…
通勤電車でよむ詩集/小池昌代編著 NHK出版 平日は毎日電車に乗って通勤している。電車内では、本を読んで過ごすと決めている。なんでかと聞かれると、理由の半分以上はカッコつけなのだけれど、精神的な負担が少なくなる、という理由もある。 スマホを見たい…
最新版論文の教室 レポートから卒論まで/戸田山和久 NHK出版 思い出すのは、大学入試。第一志望校の筆記試験を終え、残すは小論文のみとなった。これが終われば緊張から解放される。最後の力を振り絞って臨んだ小論文で私は、体中から汗と言う汗を全て出し切…
毎日のお味噌汁/平山 由香 アノニマ・スタジオ 先日、久しぶりに自炊をしようと思い立った。とはいえ、さっと作れる主食と言ったら、ご飯を炊くことを除けば、カレーか、スパゲティをゆでるか、ラーメンをゆでるか、その程度だ。相変わらず料理のレパートリ…
オールアラウンドユー/木下龍也 ナナロク社 最高に美しい本。布張りに箔押しの文字。裏表紙にバーコードや定価表示などはなし(帯に記載)。胸ポケットにしまって持ち歩きたい、心臓に近い場所に隠しておきたい、そんな本だ。 歌人・木下龍也の第三歌集。123…
RIDE IN CAMBODIA/gregmo カンボジアの街を切り取るフォトグラファーの写真集を、クライアントからいただいた。バイクに乗った人たち。その荷台には、家畜や草、果物、タイヤ、鉄材などが。日本の道路ではとても見られないような光景が、まるで「これが当た…