百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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眠れないあなたに

眠れないあなたに おだやかな心をつくる処方箋/松浦弥太郎 小学館

 

嫌なことがあって、心に傷がつき、眠れないと感じる日はありますか。憂鬱なことが控えていて、不安に押しつぶされてとても寝る気になれない日はありますか。きっと多かれ少なかれ、皆そうした日を過ごしているのではないでしょうか。

 

本書「眠れないあなたに」は、そんな夜におびえる人にそっと寄り添う一冊です。「ストレスとは仲良く」「逃げること逃げないこと」「人間関係にとらわれない」など、苦しいことから抜け出すための心掛けが、書かれています。

 

著者自身も「暮しの手帖」の編集長時代に睡眠障害を経験したと言います。ストレスを感じないとは言わないまでも、うまく折り合いをつけることのできる、心の強い方だという印象を持っていたので、私はそれを知って驚きました。その著者が眠れない日を過ごす中で、ふと思い立って走ってみたら、心配事が頭から消え、無心になれた。そこから少しずつ、自分を改善していくための新しい習慣を手に入れました。毎日ジョギングをするという彼の習慣はここから誕生したそうです。

 

新しい習慣を取り入れてみよう。つらいのは自分だけじゃないと思うようにしよう。ただつらいのは確かだから、つらいと感じる自分を叱咤するのではなく、弱い自分を認めてあげよう。ほんのちょっと心掛けを変えるだけで、気持ちが切り替わって楽になれるかもしれません。今までは身に起きる出来事の怖さに委縮して、そのことに気づかなかっただけかもしれません。