どすこいみいちゃんパンやさん/町田尚子 ほるぷ出版
町田尚子さんの猫の絵本を読んでいると、ほんとうに猫のことをじっくり見て、愛しているんだなあと驚く。例えば本の角にほほをこすりつけて気持ちよさそうにするところとか(「ねこはるすばん」参照)。そして、クッションで足をフミフミする様子から、パン生地をこねるイメージができたのだとすると・・・。わたしも猫を飼っているので、「そうそう、こういう動き、するする」と思うような描写を見て思わず笑ってしまう。
「どすこいみいちゃんパンやさん」は、みいちゃんが営むパン屋さんの開店までを描いている。『みいちゃんは とっても はやおき』『みいちゃんは とっても ていねい』『みいちゃんは とっても いっしょうけんめい』『みいちゃんは とっても しんちょう』みいちゃんの人柄(猫柄)のよさをたっぷりと味わいつつ、お相撲さんとしての強さに、頼もしさを感じさせられる。こんなに強くて、真面目な猫がつくったパンだったら、それは美味しいだろうなあ、なんて想像したりする。