英国本屋めぐり ー本と本を愛する人に出会う旅/著:ルイーズ・ボランド 訳:ユウコ・ペリー サウザンブック社
異国を旅するということに対してあまりワクワクしない自分は、きっと大人としての情緒を持ち合わせていないのだと思う。新しいものを見てまわっても、そこで得た刺激が身につくとは思えず、大半は疲労感と一緒に体外にしみ出してしまうようなイメージだ。
そんな出不精で、面倒臭がりな自分が、自宅にいながら(つまりは歩きまわる億劫さを感じることなく)異国の書店を巡ることができるのが、本書だ。イギリスのたくさんの独立書店の雰囲気を、店内や外観の写真を眺めながら味わうことができる。
イギリスに限らず海外の本屋は、素敵な店構えが本当に多い。堂々と、しかし決してわざとらしくない店名サイン。道路からガラスを通して店内を透過するファサード。背表紙と表紙とがバランスよく陳列された本棚。街に必要とされている本屋であることが写真越しに伝わってくる。
こういう本をパラパラとめくって眺めていると、旅を面倒臭がってばかりいてはいけないと思う。