嫌なことがあったとき。思い通りにいかないとき。他人の言動にイライラするとき・・・。そういうときの自分の心にやってくる、ちょっとした悪魔的な感情を、多少オブラートには包んでいるものの、サラっと、かつ的確に表現したのが、この絵本なのだと思う。ころべばいいのに。悪いことをしたのなら、悪い出来事にこらしめられればいいのに。そう思ったことは、きっと誰にでもあるだろう。「〇〇すればいいのに」この〇〇に、もっとキツい、呪いの言葉を当てはめて頭に思い描いてしまう私は、きっともう純粋なる子どもの心を持ち合わせていない。
変な顔の、変な色の悪魔が、嫌な出来事に感情を揺さぶられている様子を見て喜んでいる。だとしたら、その悪魔に喜ばれないように、平気な顔をしていよう。そう思えば、多少は上を向いて歩けるかもしれない。