百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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おとなのきほん

おとなのきほん 自分の殻を破る方法/松浦弥太郎 PHP研究所

 

どのような大人になりたいか。自分にとっての理想の大人の定義は何か。それを真剣に考えるようになったきっかけは、いとうせいこうユースケ・サンタマリアの「オトナの!」だったと思う。「オトナとは?」番組の最後にゲストがその問いの答えをノートに書き記す。その答えを聴きながら、それもありだな、とか、いやいや自分だったら、とか、想像をめぐらせた。

 

今、私が自分で定義づけている「オトナ」の条件は、自分で判断して自分を動かせる人。他人に決められた時間割に従うのも大事だけど、それは中学高校まで。オトナは、決まりに従うだけではなくて、自分で決まりをつくる。そんなオトナへの憧れを強くしたのは、尊敬する松浦弥太郎さんの存在も大きい。「おとなのきほん」をじっくりと考え、軸をもって行動、実践していると感じるからだ。

 

規則正しい生活をいっそう心掛けるとか、生きることを「自分という会社を運営すること」と捉えるとか、本当にどうしようか迷ったら、つべこべ考えず流れに身を任せると決めるとか。そのように「こういう局面ではこうする」ということをある程度決めていれば、あわてずに済む。そのぶんストレスも減る。オトナとは、「こういう局面ではこうする」という自分ルールをひとつずつ自分に蓄えていく、その蓄えが一定量を超えていて、かつ増やし続けようとしている人のことを言うのではないかとさえ、今は思っている。