百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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ぼくのコーヒー地図

ぼくのコーヒー地図/岡本仁 平凡社

 

コーヒーが好きだ。だから、コーヒーを飲みながらくつろぐ時間だけは、どんなに忙しくても、欲しい時に必ず確保できるようでありたいと思っている。ただよくよく考えたら、コーヒーそのものが好きというより、コーヒーブレイクの時間が好きなのかもしれない。そう、本書を読んで思った。さまざまな街で、休憩で入ったカフェで、コーヒーを飲みながら一息入れる。当然コーヒーが美味しいという条件は必要だろうけれど、それよりも、何か明確なことを考えるでもなく、ぼんやりと時間を過ごす、その行為の贅沢さに、心から安心をしているのだと思う。

 

編集者・岡本仁さんがinstagramに投稿し続けているコーヒーブレイクの記録。知っているカフェを探して、「あ、ここ、自分も行ったことある。美味しいんだよね」と共感するのも良いけれど、「へぇ、そういう感じ方もあるんだ、気づかなかった」という発見があるのも面白い(中目黒のセガフレード・ザネッティはインテリアが好みだから2階に行く、など)。人それぞれの楽しみ方、視点があって、それが自分だけのカフェ巡りの醍醐味だよなあと納得。