ずいぶん前に買ってちびちび読んではいたのだけれど、しばらく読み進められないまま、いつのまにか手放してしまった、そんな本がある。たまにタイトルを目にすると、「そう言えば買って読んだな。でも今はほとんど内容を忘れてしまったし、本棚にもないから読めない。なつかしいな」なんて思って、また買うなんてこともなくさらに時間が過ぎていく。
私も一棚分出店している祖師ヶ谷大蔵の本屋・BOOKSHOP TRAVELLERで久しぶりに見かけて、中古価格だったし、タイトルも興味深いし、また読んでみよう、とようやく手に取ることができた。16年前に文庫版が発行された、著者の初期の本だけれど、主張することの芯というか、核のようなものは、ずっと変わらないのだということを改めて感じた(変わっていることも、もちろんあります)。
親をわざと怒らせようとふるまう子供と、そのふるまいに耐えることが重要だと考える親との「すれ違い」が良くないのだという視点には、目からウロコが落ちるようだった。子供がそうやってふるまう「本心」を捉えて、ではどうやって子供に接したら良いのか。それは、「我慢しない」こと。我慢しないということは、長い目で見て自分の命を守るための方策であるという言葉は、きっと現代人の肩の力を抜いてくれるだろう。