百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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愛について

詩集 愛について/若松英輔 亜紀書房 表紙の赤がぐっと目に飛び込んできて、いろいろなものを想起させる。太陽。花。血。心臓。その赤をイメージしながらページをめくると、言葉に宿る赤い世界に、はっとする。言葉と印象が強烈に結びついて、心臓を震わす瞬…

2022年7月27日

読書離れとか、出版業界の衰退が激しいとか、そういった言葉をよく聞くけれど、周りを見ると、本が好きで、本をたくさん持っていて、普段からたくさん読んでいる、そういう人を結構知っている。私なんかが読書離れを憂う必要なんてないんじゃないかと言うく…

見えない涙

詩集 見えない涙/若松英輔 亜紀書房 「詩」を読むことについては昔からずっと苦手意識のようなものがあって、なかなか味わえないように感じていた。その言葉が訴えかけてくるメッセージをきちんと受け止めきれずに、取りこぼしているような気が常にしている…

2022年7月26日

昨日、自分が好きな「猿」を2組(THE YELLOW MONKEYとジョビジョバ)挙げて考えていたら、改めて大きな共通点が浮き彫りになった。それは「一度活動を止めていること」。活動休止前から当然好きだった。では、もし彼らが休まずにずっと活動をしていたとした…

2022年7月25日

新型コロナウイルスがこれまでにないくらいの猛威をふるっているにも関わらず、また別のウイルス感染症がどこからともなくやってきて、さらにモヤモヤが加速する。自然はどれだけ人間をいじめれば気が済むのだろう。いや、そう思うのは人間のわがままで、本…

官房長官と幹事長

官房長官と幹事長/橋本五郎 青春出版社 前職で所属していた協会の法定研修で、橋本五郎の講演を聞いたことがあった。日本テレビのニュース番組でおなじみの、読売新聞の編集委員。優しい顔つきの五郎さんの生の話に耳を傾けながら、全く関心を持てなかった政…

2022年7月24日

猫がドライエリアに出たがる。熱帯夜、布団の上からフローリングの上に定位置を変え、エアコンをつけてしばらくすると布団の上に戻る。ということはやはり暑くて仕方ないのだろう。昼間、窓を開けると一目散に外に出て、寝そべり、身体をこすりつける。たぶ…

「新しい郊外」の家

「新しい郊外」の家/馬場正尊 太田出版 都内に住んでいると、その便利さが当たり前になって、遠く離れたところで暮らすなんて無理、面倒臭いし不便だし、なんて気持ちになることがある。しかし昔はその「面倒くさい」「不便」が当たり前だった。そういう場所…

2022年7月23日

長く使えるオリジナルの家具を持つというのは、はたして「重たい荷物を背負うようなもの」なのか?そんなことをふと考える。オーダーメイドの家具が好きな私は、それによって人生に重荷を負ったと感じたことはない。あまり定住せず、いろいろな所へ行く人に…

マヨネーズと包装紙

マヨネーズが大好きで、普通それにかけないだろう、と言われるであろうものにもマヨネーズをかけて食べることがある。昔からずっとキユーピーマヨネーズだったけれど、数年前に「キサイチマヨネーズ」に出会ってから一変。こればかり食べている。 出会ったの…

2022年7月22日

自宅にトンボが飛んできて、割と大きいトンボをここ最近見ていないんじゃないかと気づいた。あったかな。子どもの頃はよく見て、追いかけまわして遊んでいた気がするな。そんな珍しいものという感覚がそもそもなかっただろうから、何とも思っていなかったか…

すべての雑貨

すべての雑貨/三品輝起 夏葉社 「あたなが好きと言っている本は、本じゃなくて、雑貨じゃないの?」そう言われるシーンを想像する。ろくに読みもしないのに本棚に並べて、リビングでその背表紙が常に見える状態にして、それだけで悦に入っている。何か雰囲気…

2022年7月21日

食料品など普段スーパーで買うものを、ネットで注文して宅配してもらうサービスがあって、便利だ。コロナ禍で活用している人も多いだろう。こんなに便利なサービスを手軽に受けて本当に良いのだろうかとびっくりするほどだ。感染者数が急激に上昇しているい…

2022年7月20日

ドライエリアにまで進出した本棚に積まれた本を眺めて、本が一定量を超えるとそれはそれで心に負荷がかかるのだと気づいた。まるで心の許容量を超えてあふれた水のようだ。どんどん溜まるとその分情報量は増えるけれど、ただそこにあるだけのものも出てくる…

2022年7月19日

自宅療養中。症状のピークが夕べだったのか、いまはだいぶ楽になっている。病院で処方された薬の効果もあるのだろう。薬って、すごいね。 自分が不自由な立場に立って始めて、その気持ちに気づくというのが世の常で、こうなる前にもっと想像力を働かせること…