百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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言葉はこうして生き残った

言葉はこうして生き残った/河野通和 ミシマ社

 

一週間に一度、ある程度の量のテキストを書き、自身の想いをつづる。それを定期的に発信し続ける。そんなルーティンに憧れたのは、本屋を始めたころだ。ただ本を売るだけでは絶対に生きていけないから、その本にまつわる「自分が書いた何か」を発信しよう。思い浮かんだツールは「メールマガジン」。前職でも(定期的ではなかったが)活用していた。その想いは、この毎日更新ブログへの専念、へと形を変えた。

 

雑誌「考える人」の元編集者である著者が週に一度メールマガジンで配信し続けたテキストをまとめたのが本書だ。一冊の本を淡々と紹介したり、著者自身の過去の思い出を振り返ったり。こうやって一冊の本を深堀りして、味をつけて、次の読み手へとバトンタッチする。そのバトンを渡す役割が、本屋である自分にはあるのだということを、こうした編集形式の本を読むたびに思い知らされる。