百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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ともだちは海のにおい

ともだちは海のにおい/工藤直子 長新太・絵

 

家族にすすめられて、仕入れた。詩人である著者による児童文学。出張本屋に持っていったら、いつも本を買ってくださる常連さんが、ものの10秒で「今日はこれ!」と手に取ってくださった。なんでも、小学校の頃の先生が好きだった著者なのだという。

 

そういう本との出会いもあるのか、と感心しながら、自分の小学生の頃を振り返る。そもそも読書嫌いな子供だったから、自分の場合は参考にならない。国語の教科書に登場した物語を多少覚えている程度だ。しかし、もし担任の先生が「こういう良い作家さんがいますよ」と教えてくれたりして(もしかしたら自分が忘れているだけかもしれない)いたら、担任の先生の人間味に触れられると同時に、本との距離も縮まっただろうと思う。いま、知人の紹介で知った著者の別の著書が目に入ったら気になるのと同じように。

 

「お茶がすきないるかと、ビールのすきなくじらが友達になりました」表紙の優しそうなくじらが、日々の暮らしでざわざわした心を落ち着かせてくれるようだ。