百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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「自分らしさ」はいらない

「自分らしさ」はいらない/松浦弥太郎 講談社

 

包丁の柄の部分をほとんど洗っていないことに気づいた。包丁に限らず、おたまも、鍋も、スプーンも。下手したら、箸も口をつける半分から先はよくこすっても、手で持つ半分は水ですすぐ程度。本当に汚れているのはどっち?冷静に考えれば分かることも、「いつもこうやっているから」「この方法に慣れているから」と信じて疑わなかったら、気づかない。そういうことって、身のまわりにたくさんあるのではないか。

 

「心をつかう」「心で考える」「心を働かせる」本書に度々登場する言葉だ。頭ではなく、心を使う。イメージするのは、それによって相手がどう思うか、相手のためになることなのか、ということを、相手に憑依して、自身の体感として先取りしようとする姿。その「相手にのりうつって想像する」姿勢が、大事なのだと思った。