みんなの家。建築家一年生の初仕事/光嶋裕介 アルテスパブリッシング
建築家の光嶋裕介さんに興味を持ったのは、下北沢の本屋B&Bでのトークイベントに参加したのが直接のきっかけ(※)。ユースケサンタマリアといとうせいこうがMCをつとめるトーク番組「オトナの!」に出演していたのも、観た。彼のセンス、技術にはもちろん追いつけないけれど、いわゆる建築家に対して私が抱く「雲の上の存在」感はそれほどなくて、試行錯誤しながら、がむしゃらに突き進む姿勢に親近感を抱いた。建築設計一辺倒では決してなく、ドローイングを得意としていることや、本を通して想いを発信していることに、他の建築家との違いを感じる。
彼が、建築家一年生として初仕事をしたことを赤裸々に綴ったのが本書だ。そのクライアントはなんと内田樹。自宅兼道場「凱風館」の設計依頼を突然受けたところからこの物語は始まる。好きだなと思う人同士は繋がるものなんだな。いや、繋がっている人を好きになるのか?もはや順番がよく分からない。
初仕事を、最高のものを作るべく一生懸命考えて、実行する。その姿勢を、自分もずっと忘れてはいけないのだ。この本をめくっていつも思う。
(※)
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