百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

MENU

ボールペンとえんぴつのこと

ボールペンとえんぴつのこと 銀座の小さな文具店/宇井野京子 木楽舎

 

「文房具」という言葉に魅力を感じるようになったのは、ずいぶん最近のことのように思う。学生の頃は文房具を使うのが日常であり、勉強するための「道具」に過ぎなかった。使いやすいにこしたことはないけれど、正直なんだっていい、派手すぎなければ、くらいの感覚だった。大人になって、鉛筆を使わなくなり、ボールペンすら使うことが少なくなった。そうすると、より使い勝手が良いもの、愛おしいものを、厳選して持ちたくなる。鉛筆にしてもボールペンにしても、自分にとっての「こだわりの一本」を探す過程が、楽しいのだ。

 

銀座にある小さな文房具店「五十音」店主による文具絵日記が、本書だ。店内には各国から集められたアイテムが宝物のように並べられているのだとか。本書を仕入れて出張本屋で出したらすぐに売れてしまった。私自身ゆっくりじっくり読むことがまだできていない。店主の文房具愛に触れて、私の架空文房具屋「ミエナイイト」の参考にしたい。