百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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走ることについて語る時に僕の語ること

村上春樹/走ることについて語るときに僕の語ること 文春文庫

 

ラソンに精を出す伯父が(あれ、親父だったかな?)昔、こういう本があるぞと教えてくれたのが、村上春樹がジョギングについて語ったエッセイだ。ただ運動だとか、身体にいいとか、そういうことではなくて、走ることにはもっと神聖な意味がある。そのことはなんとなく分かった。しかし結局実行には移せず今日まで来ている。いまでこそ週末にジョギングをする習慣ができつつあるけれど(もともとはわずかな距離であっても毎日走ろう、と意気込んで、数か月続いたものの、結局はダメだった)、まだどうしても「億劫だな」という気持ちが勝つことが多い。

 

走るという行為を通して、他人はこんなことを学んでいる。走り続けるという習慣を通して、他人はこんな知見を得る。しかもそれが、小説家・村上春樹だ。彼の正直な想いを読むことで、自分の習慣を続けるモチベーションになるという確信が、この本にはある。