去年のちょうど今頃は、1年後を想像することを恐れていたように思う。息苦しい状況が全く変わっていなかったらどうしよう。いや、そうである可能性がけっこう高そうだぞ。希望をもつことはもちろん大事だけれど、それはそれとして、高望みをすることは諦めて、どう疫病と折り合いをつけて生きていくのか考えなければならない、ということに多くの人が気づいた時期だった。そして年があけ、緊急事態宣言が続くなかできっと、皆の諦念に拍車がかかったのではないか。そこからさらに時が過ぎ、徐々に落ち着きを取り戻している(ように見える)状態が、いまだ。年末までのこの1ヶ月は、その落ち着いた(ように見える)状態を皆の災厄除けの行いの成果だと前向きにとらえて、あまりムカムカしないで、これまで以上に穏やかに過ごしたいと思う。