書き心地の良さという観点で筆記用具を選ぼうとすると、このペンが一番だと思っている。昔からそうだ。
覚えているのは、母が手帳に日記を書くのに使っていたペンだということ。ボールペンではなく、ボールペンよりインクの出が良くて、しかも滑らか。油性マジックのようにページの裏に写ったりもしない。別に高級なペンでも何でもないけれど、万能なペンだと思っていた。
と言っても、中学や高校で自分が使っていたという記憶はない。何かの拍子に文房具屋で見かけて懐かしくなり、大学生以降、社会人になってから使うようになった。いまは仕事のノートへのメモや手帳への記入に、重宝している。母が使っていたペンを、毎日日記を記すまめな習慣とともに引き継いだような、そんな感じだ。