人を喜ばせるということ だからサプライズがやめられない/小山薫堂 中公新書ラクレ
仕事とは何かを端的に言おうとすると、「人に喜んでもらって、ありがとうと言われること」なのではないかと思う。いまもし、インタビューみたいな感じで「あなたにとって、仕事とは?」と聞かれる機会があったら(ないけれど)、そう答える。自分の行動によって他人にありがとうと感謝される。それほど、仕事をしていて嬉しいことはない。その対価が形になったのが、報酬だと思っている。
「サプライズ」は報酬をもらう仕事とは違うけれど、予想を裏切ることで相手を驚かせて、喜ばせる。そのリアクションが、自分自身の喜びにつながる。これって、仕事と同じなんじゃないか。著者はさまざまな場面で日常的にサプライズをしかける。その心に共通しているのは、「びっくりしてほしい、楽しんでほしい」という、それ以上を望まない純粋な気持ち。これこそが仕事の品質の向上につながるのだと思った。