百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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Mephisto

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Mephisto /BERNARD VILLIOT・ANTOINE GUILLOPPE

 

メフィストという黒猫目線のお話。一匹狼で、誰に媚びることもなく、しかし自由という言葉のもつ甘さに酔うことなく、人に求められなければ意味がないというメフィストは、人間に嫌気がさし、旅に出る。誰にも探されないはずだった旅を謳歌して、帰ってみると・・・。

 

猫を飼っている。目の前の猫は、いったいなにを考えているのだろう。人間が「元気だね」「なでなでしてもらって、気持ちよさそうだね」「楽しそうだね」と勝手に思っているだけで、もしかしたら全然違うことを思っているのかもしれない。人間に対して警戒心なく、甘えてくる猫もいれば、つっけんどんな猫もいる。かまってもらわずとも、自由にふるまう猫もいる。メフィストのように。そんな猫の多様性と、だからこその愛おしさを、愛猫に強く感じるようになった。