百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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世界で最も美しい書店

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世界で最も美しい書店 エクスナレッジ

 

無人本屋に憧れている。イメージするのは、田舎の畑にある無人の野菜直売所だ。並んだ本を見て、気ままにページをぱらぱらとめくり、気になる本があったら、箱にお金を入れて持っていく。そんなシンプルな「交換」がそこでは行われている。人間の原始的な行動を表す言葉で言うと「沈黙交易」だ。

 

店番をするためのコストをケチりたいという理由ではない(それもないわけではないが)。究極を言うと、店番がいなくても、商品があって、それを買いたいという意向があって、あとはお互いの(万引きなどしないという)信頼関係があれば、取引は成立すると思うからだ。それを本屋で実現できたら、きっと信頼関係で満ちた社会が広がると思う。

 

アメリカのオハイという小さい町に「バーツブックス」という大きな本屋がある。屋外本屋であるため、湿気で本が劣化することを許容する、その懐の大きさもさることながら(実際にはオハイの雨はまっすぐに降るので濡れることはないのだとか)、閉店後もお金を箱に入れることで買うことができる、無人本屋としても機能しているのがすごい。このような、ゆったりと構えたスケールの大きな本屋に、憧れる。