百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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日々の100

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日々の100 続・日々の100 / 松浦弥太郎 集英社文庫

 

本当に好きなモノだけに囲まれて暮らすことができたら、どれだけ素敵だろうかと思う。自分できちんと選び、手にして、それを長く慈しむ。もしも壊れたら、すぐに捨てるのではなく、直して使い続ける。そういう暮らしができたら楽しいだろうなぁと思うのだけれど、そうもいかないのはなぜだろう。現実的な予算の都合もあるかもしれない。他人からいただいて捨てるに捨てられない、というものもあるかもしれない。でも一番の理由は、きっと楽しいだろうなぁという期待はありつつも、全てのモノをちゃんと選ぼうとしたら相当のエネルギーが必要で、だからどこかで「まぁこの辺でいいや」と妥協しているからだと思う。何事もバランスが大事なのだ。

 

彼の、身のまわりの好きなものとそれにまつわるストーリーを読むと、自分にとっての「まぁこの辺でいいや」を限りなく排除して、やっぱりたくさんの好きなもので囲まれた暮らしをしたいという想いが強くなる。ひとつひとつ丁寧に使って、少しづつ自分の心の豊かさのレベルを高めていくような感じ。そんな暮らしに憧れる。

 

いま、シャツはマーガレットハウエルのリネンシャツと決めている。それは、彼のエッセイから影響を受けた証だ。