百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

MENU

ぼくとわたしと本のこと

f:id:bibbidi-bobbidi-do:20210108125900j:plain

ぼくとわたしと本のこと/高原純一+SUN KNOWS センジュ出版

 

自由が丘の駅前の本屋で手に取ったのは、自由が丘にある産業能率大学経営学部を2019年に卒業したゼミ生「SUN KNOWS(さんのうず)」が書いた、本についての本。表紙のきれいな絵や、滑らかな紙質にも惹かれたけれど、なにより、大学生が自身の本にまつわるストーリーを披露するというものに、面白さを感じた。自分が大学生のときはさて、どうだっただろうかと思い出しながら読むのも良い。

  

「一冊の本の影響力」という言葉に心を動かされる。自分も確かにこの言葉を気にしながら生きてきたなぁと思う人もいれば、先にその言葉を読んで頑張ろうと胸に決めて、意識して行動する人もいるだろう。そうした言葉には、のちの自分の行動を変えるほどの影響力があると気づく。だから人は本を読んで、自分の中に行動を支える判断材料を蓄えたいと感じるのだと思う。一方で、本をいくら読んだって自分は変わらないんだ、本にそんな大それた力なんてないんだ、と突き放すときもある。そんな崇高なものじゃないよ読書なんて。読んでる時間がなんとなく快適ならそれでいいじゃないか、というように。

 

本との付き合い方はときに濃密で、自分を成長させてくれる糧になってくれて、ときに馬鹿げてて、無益で、暇つぶしにすぎないようなものにもなってくれる。