百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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この星で生きる理由

この星で生きる理由 過去は新しく、未来はなつかしく/佐治晴夫 アノニマ・スタジオ

 

大学の時の話。建築学科だったので、建築系の専門科目は一生懸命学んだ一方、一般教養は、学ばなければならないという使命感はあったものの、それほど興味を持つことができず、最低限の講義をなんとか受けて単位を取ることしかできなかった。そのなかで、他の仲間はきっと受講しないだろうなあと思いながら、学びたいと思っていたのが、「天文学」だった。宇宙の神秘、星の謎を知りたいという好奇心があって、確か単位を取ったと記憶している。結局受けなかったんだったかな?受けたけれど単位を取れなかったんだったかな?実を言うと講義のことはほとんど覚えていない。失礼にもほどがある。

 

宇宙空間は果てしなく広いとはいえ、限りがないということは考えにくい。ではその果てはどうなっているのだろう。いつまで経っても解明できない謎だ。そんな中、天文台台長である著者による美しいエッセイに出会った。表紙のイラスト、タイトル。文字は青だ。1ページ読むだけで広大な宇宙をぷかぷか浮かんでいるような気持になる。

 

 

もし月がなかったら、その引力がなかったら、地球には風速300~400メートルの風が吹いていて、音楽なんてものも成立しなかったという。音楽を楽しめているのは月のおかげである。そう思うと、これまで以上に音楽が愛おしくなる。