百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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明日、何を作ろう

明日、何を作ろう/松浦弥太郎 KADOKAWA

 

独り暮らしをしていた頃の食生活は、大きく3つの時期に分けられる。一つ目は、自分で作ることをせず、外食で済ませていた時期。二つ目は、自炊に目覚め、とはいえ料理はできないので、ゆでるだけのパスタやラーメン、レトルトのカレーなどを買って米を炊いて食べていた時期。三つ目は、スーパーで野菜なども買って料理(と呼べるか定かではないが)を試みた時期。その三つを行ったり来たりしながら、今の自分の体がある。それなりに健康体だと思っているから、まぁ邪悪なものを口にすることなくここまで来ることができたのだろう。ただ栄養のバランスは決して良くはなかっただろうから、これから食生活を正していく姿勢もまた大切だろう。

 

グラノーラを食べるようになったのは、松浦弥太郎さんの影響かもしれない。肉じゃがの作り方を学び、他人に食べてもらって嬉しい思いができたのは、素朴な日本食を愛する彼の姿勢を知ったからだ。ゆでるだけのパスタでも、具材をほんの少し工夫するだけで作る楽しさは倍増する。「明日、何を作ろう」なんて考えながら独り暮らしを楽しむことができていたら、有意義ではありつつも仕事づけで精神的にきつかった過去の日々が、もっと明るくなっていたかもしれない。