彼岸の図書館 ぼくたちの「移住」のかたち 青木真平・海青子 夕書房
「移住」に関心がある。いま住んでいるところに未練が全くないわけではない。いま、この場所でできることをする、という考え方も理解できる。しかしその一方で、場所を限定せず、制約を設けず、遠い場所に自分の身体を持っていくことを厭わずに、できることを考えようとすると、アイデアはたくさん生まれてくる。何の縁もゆかりもない場所にポンと足を踏み入れた途端、これまでできなかったことが急にできるようになる、ということもあるだろう。
奈良県の東吉野村にある一軒家に移住し、私設図書館を運営する二人の物語。本能に従って正直に行動する人はこうも美しいのか、と嫉妬する。内田樹さんや光嶋裕介さんとの対談もあって刺激的だ。