百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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希望はいつも当たり前の言葉で語られる

希望はいつも当たり前の言葉で語られる/白井明大 草思社

 

自分に気づきを与えてくれた言葉。勇気をくれた言葉。これまで生きてきて、そのような言葉にたくさん出会っているはずなのに、具体的に挙げよ、と言われるとなかなか頭に浮かばないから困ったものだ。別に他人からの忠告をないがしろにしながら過ごしてきたとは思っていない。それなのに・・・。

 

「真面目だね」と言われたら(はぁ、柔軟さがないなぁ)とあきれられているように聞こえ、「(しゃべり方、動き方が)硬いよ」と言われたら(一生懸命やってるのに)と不貞腐れる。自分を指摘する言葉にはたいてい、素直に受け止めないで来たかもしれない。そう振り返ると、本書の著者のように、当たり前の、さりげなく与えられた言葉から学び、後に生かそうとする姿勢を取り戻さなければならないと感じる。取り戻さなければ、と言ったのは、小さいころはそうした素直さを少なからず持っていたはずだと思うからだ。

 

「トラブルは起きる」「あきらめないで」「天才はいません」・・・。他人から言葉を与えられた出来事を振り返るエッセイを読むと、言葉を素直に丁寧に受け止めれば成長できる、という自信を得ることができる。