一汁一菜でよいという提案/土井善晴 グラフィック社
憶えているのは、夜にラーメンを食べた翌日のことだ。明らかに体調を崩した。身体が重く、だるい。物事に集中できない。それが100パーセント、ラーメンだけのせいだとは言わないけれど、辛くて脂っこいものを、たくさん食べたことが悪さをしたことは間違いない。わたしには一時期、ラーメンを食べることを禁じていた数か月(数週間だったかな・・・)がある。
腰が痛い。腹が出て、姿勢も悪い。夜、空腹を満たすためにたくさんご飯を食べるとたいていそのあとは調子が悪く、そういう時を狙って腰の痛みが強まるように感じる。食生活、というか、食べる量が良くないのだと思う。最近、本当に少食になった。もちろん、食べるものを選ぶようにもなった。
本書は、有名な料理家・土井善晴氏による「食事は一汁一菜で良い」という提案書。質素なものを少しだけ食べる、その食生活にも充分に快感はあるんだよ、ということを教えてくれる。その教えがあったから、むやみに味の強いもの、分かりやすいおいしさのものをたくさん食べなくても大丈夫、と自らを律することができるようになった。