プロ論。(徳間書店)のページを久しぶりにめくる。かつて「行列のできる法律相談所」で活躍した弁護士、丸山和也の言葉が目に留まった。「気持ちをいつも、ぴりっとしゃきっとさせておくことです。細胞から生き生きさせないと。頭で生きてちゃダメ。それでは、チャンスがやってきてもつかめません。足の裏にだって指にだって考える力はあるんです。だから全身で考え、全身で感じないと。」朝、家を出て駅に向かって歩くとき、ジャケットを着ているとなんだか気が引き締まり、歩く足に力が入る。そのときに何となく感じる「しゃきっと」感が、ささいなことなのだけれど、案外重要なのだろうと思う。下宿時代の同居人に仕方なしに付き合って司法試験の勉強をし、成り行きで弁護士になったという丸山弁護士。細胞で感じたことを信じた彼の言葉を、信じなさいと自分の細胞が言っている。