百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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猫のよびごえ

猫のよびごえ/町田康 講談社

 

昨年、猫を迎え入れた。房総で育った保護猫だ。命を預かるということに対しては最後まで躊躇したけれど、その愛らしさに毎日癒されている。何を考えているのかが本当に分からない。しかしたまに見せる「こっちはそっちにお構いなしに生きてるよ」感が、もしかしたら心地よいのかもしれない。

 

「猫のよびごえ」を古本で。帯の猫の可愛らしさに負けた。海岸を散歩していて偶然見かけた猫に運命を感じ、「誰か気づけ。気づいて家に連れて帰れ」と祈るも叶わず、よく分からない精神状態のまま連れて帰る著者。その姿は一切作家としてかっこつけてなくて、正直だ。