「どもる」という自身の体の状態を意識したのは、いつだっただろう。どのくらい前だったかは思い出せない。仕事中。思うようにいかない歯がゆさに、𠮟責によるストレスが加わったからかもしれない。「かかかかか・・・」意に反して繰り返される言葉に、自分でも驚いた。なんでいつものように、スムーズに言葉を発せられないのよ。顔が熱くなり、声は震え、涙が流れる。
「どもる」という身体的経験にフォーカスを当てて、身体に何が起きているのかを観察するのが本書だ。自分の身体であるにも関わらず、自分の身体のようでない。そんなむず痒い状況に正面から向き合い、冷静に状況を把握することが、いまの自分にとって大事なことだと思った。ちょっと分厚い本だけれど、ゆっくりしっかり読む。