百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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おなみだぽいぽい

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おなみだぽいぽい/ごとうみづき ミシマ社

 

さいころ、なんだか無性に泣きたくなる時がなかっただろうか。わたしには、あった。昔から泣き虫で、他人がなんとも思わないことで涙が出てくることがあった。情けない男だった。とここまで書いて、別に子供の頃だけの話ではなく、社会人になってからも、涙もろい、弱い人間であったと気づいた。覚えているいくつかの泣いたエピソードは、とてもじゃないけど恥ずかしくて言えない。できることなら思い出したくない。

 

涙が出てきて、その涙がしみ込んだパンの耳を、鳥が食べてくれる。涙がしみたパンを喜んで食べる鳥を見ることで、なんだか救われる気がする。つらい出来事に遭遇し、泣きたくなった時、涙のパンを食べてくれる鳥のように、寄り添ってくれる絵本だ。