百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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フーガはユーガ

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フーガはユーガ/伊坂幸太郎 実業之日本社

 

兄弟の物語を読んで、自分の家族のことを想う。伊坂幸太郎の小説を読んで豊かな気分に浸れるのは、一つにこういう時間があるからだと思う。彼の小説に登場する兄弟に触れると、本当にうらやましく感じる。この「フーガはユーガ」にしても、「魔王」にしても、弟が兄を慕っているし、兄も優しくて心強い。私も弟にとってこんな兄でありたい、と思わせてくれる。理想の兄弟像だ。

 

勇んで新刊本を買っても読み切るのに時間がかかるたちだけれど、「フーガはユーガ」はさらっと読み終えた。最近文庫本でも発売され、あっという間の時間の流れを感じる。兄弟間の不思議な能力を中心とした物語。いま読み進めている「ペッパーズ・ゴースト」を読み終えたら、もう一度読み返してみようと思う。