木の実と船のものがたり/小林由季 ニジノ絵本屋
広い海の上にある、船の家の話。そこで暮らす女の子のもとにある日、空から木の実が落ちてくる。木の実は毎日すこしづつ成長し、やがて船の家に大きな木を生やす。何か特別な、突拍子もない出来事が起きるというわけではないけれど、木の実が落ちてきたことから、木が成長し、仲間が増え、その影響が海を越えて広がっていく。
普段私たちが目にしている光景は、どこか知らない場所で起きた船の家でのような出来事が発端になっているのかも。また、自分の何気ない行動が場所を越えて世界へと広がっていくのかも。そんな不思議とあたたかな気持ちになれる絵本だ。