百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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文豪の凄い語彙力

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文豪の凄い語彙力/山口謠司 さくら舎

 

ひと箱店主をやっている熊谷の本屋「太原堂」に1ヶ月に一度行っている。そこで出会う本はいずれも、大型書店ではなかなか見かけない本ばかり。先月訪問した時に目に留まり、思わず手に取ったのが本書だ。別に自分を文豪と同一視したいわけではない。ただ文豪のように、当然言葉の意味は熟考したうえでだけれど、難しい言葉も適切なところで使いこなせるようでありたいと思った。

 

「薫風」「徒花」「白眼」「寛解」・・・。それらの言葉の意味が、成り立ちや、その言葉を使った文学作品の一文とともに、分かりやすく説明されている。わざわざ小難しい言葉を、その知識をひけらかすために強引に使うようなことはしたくないけれど、平易な言葉だけを使っていたのでは、言葉に深みが出ないのもまた事実。それでは自分が「耄碌」していきそうだ。成長を実感する人のための本屋であり続けることを「標榜」するわたしとしては、それはちょっと許せない。