百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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小さな平屋に暮らす。

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小さな平屋に暮らす/編・山田きみえ 写真・雨宮秀也 平凡社

 

「小さな平屋」がやっぱり一番住みやすくて良いと思う。そう言ったら、実家がそうだったからじゃないか、と突っ込まれそうだ。小さいころ、実家は80㎡ほどの平屋だった。高校受験の少し前に増築し、それまで弟と共同部屋だったのが2階の個室へと変わった。これで弟のことも気にせず過ごせると喜んで、きっとしばらくは自室にこもり、1階のリビングで過ごすことが少なくなった。今思い返すと、なんとも寂しいことだ。

 

そんな「小さな平屋」の心地よさ、生活が手に届く範囲にあるちょうどよさを、昔を思い返しながら振り返るなら、この本が一番。離れの図書室。濡れ縁からの緑豊かな庭。最小限のセカンドハウス・・・。昔、当たり前のように感じていた気持ち良さも、これまでになかった斬新なアイデアも、両方がこの本にはある。