元素118の新知識/桜井弘(編) ブルーバックス
最初に手にしたのは、高校生の頃だったか、大学生の頃だったか。理系科目の中でも化学の授業が好きで、周期表を眺めては元素記号を覚えることを楽しみにしていた時期がある。その時に、自分が化学好きであることを証明するために(誰に証明するんだ・・・)、買ったのがこの本だった。
元素ひとつひとつの、その特徴を丸暗記していく。リチウムというのは電池に使われるんだよ。すべての金属元素の中で一番軽くて、水より軽いんだよ。よく体温計に入っている水銀は、唯一常温で液体の金属なんだよ。亜鉛は金属のメッキによく使われるやつだよ。そんなふうに豆知識を増やしては、化学好きアピールを当時友達にしていたのかもしれない。
時を経て、改訂されたものを手に取った。新しい元素も増えている。当時読んでいたそれに「ニホニウム」「テネシン」などはなかった。日本の理化学研究所の研究チームが合成したからニホニウム。素敵じゃないか。いまなお進歩を続ける化学に触れ、学生時代に置いてきてしまった記憶を取り戻す。