百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

MENU

2026年6月26日

 

冷やすなよ

人間関係は 

冷やしても

夏のサワーは

 

ぼんやりしがちな朝の電車内、窓ガラスに映っている車内広告が目に入った。嵐の二宮和也君が微笑んでいる。反転している文字を解読しながらだったからか、結果としてその惹句をじっくりと、噛みしめるように読んだ。他人とのコミュニケーションを疎かにしてでも、夏のサワーは常温で飲むべし、ということだろうか。三行分をすべてお尻に放り出す大胆な倒置法が絶妙に効いている。

 

夏のサワーを嗜む流儀に一応は納得し、電車を降りる直前、ガラス越しではなく広告そのものに目が向いた。そこでは二宮君がこう語りかけていた。

 

夏のサワーは

冷やしても

人間関係は

冷やすなよ

 

文字の反転を頭の中でひっくり返すことに夢中で、行を読む順も逆にすべきであることに気づかなかった。深読みして納得するまでもなく、夏のサワーは当然冷やして飲むべきなのだ。そして、人間関係はむやみに冷やすべきではない。