
3月。今年初めに立てた1年の目標である「『目標を立てておしまい』ではなくて、都度仕事の成果を見直して、改善すべき点を検証する」を、早速忘れかけている自分に気付き、いけないいけない、と我に返る。時間はすぐに過ぎ去ってしまうから、今日できる反省をして、明日に備える。
本屋としての基本姿勢を見直すべきなのだろうかと、このところ考えている。きっかけは若松英輔さんと牟田都子さんとのトークイベントでの、若松さんの言葉だった。
私は本に助けられてきたし、本はあってもなくてもいいというようなものではなく、なくてはならないものだと思っているし、本を読む人が豊かに育まれ増えていくのは良いことだと思っている。そのために、この本が良いですよ、と人に紹介しようかと思った時期もあったのだけれど、それだと「他人の紹介に基づいて本を選ぶ人」を増やすだけであって、あまり読書の土壌を豊かにすることにはならない。
私はこれまで、自分が良いと思う本、これを読んだら成長を実感できると思える本を紹介することが、自分の役割だと考えてきた。それは今も変わらない。ただし、あまり「これオススメですよ」が強すぎると、他人の言葉をもとに、平易に言いかえれば他人の口コミを頼りに本を選ぶことになり、自分の美意識で本を選ぶ力が衰えることにつながりかねない。なので時には「これをぜひどうぞ」という姿勢をゆるめて、「あなたのお好きなものをお選びください」とそっと差し出す姿勢を貫かなければいけない。