
本のカバーの端が折れたり破れたり、そんなささいなことはしょっちゅうだし、持ち運んでいれば当たり前のことだ。なのにそんなささいなことが、うーん、と気になるようになったのは、割と最近のことだと思う。以前は全然気にならなかったはずなのに。まるで指と爪の間の皮膚がささくれて地味に痛い思いをするように、そして単行本の端のざらざらを見て心がざわつくように、なんだか落ち着かない気分で週末を迎える金曜日の夜になってしまった。原因の大半はきっと自分にある。環境のせいにすべきではない、愚痴を発してはいけない、と思いながらも、その感情を押さえつけようとするのが苦しくて、なんだか成長しているようで成長していないなあ、と思う。こうした感情と平穏に付き合える成熟した大人になることが、私が意識して本を読む理由の一つではなかったか。