
6年ほど前に買って読み始めて、まだ読み終わっていない小説がある。思いっきり時間をかけてゆっくり読んでいる、と言ったらまだかっこいいけれど、実際はそうではない。積読状態が6年続いているようなものだ。単行本で、発売後割とすぐ買ったのに、今はもう文庫本が流通している。もはや単行本を手放して文庫本を買って読もうかしら、と思うくらいだ。その方が電車内で読むのに楽だし。その単行本を本棚から引っ張り出し、久しぶりに読み始めたら、面白くなってきた。電車内で、右手でつり革をつかみ、左手で本を持つ。単行本は重くて嫌だ、という他人の意見を聞く度に「たいして変わらないじゃないか」と鼻で笑っていた、そのことを今恥じている。片手でページを広げて読むのに、単行本はやはり重い。最近は、単行本にあまりこだわらず、文庫本の発売まで気長に待つ忍耐力がついてきたと思う。