百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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今日もごきげんよう

今日もごきげんよう/松浦弥太郎 マガジンハウス

 

お笑いコンビのダイアンの漫才で、大好きなくだりがある。警察官に職務質問されるというシーンで、「ありがとう」「なにがありがとうなんですか」「『ありがとう』って手帳に書いてんねん。今日一日に何回言えるかってやってるから」「むちゃくちゃアホやんこの人」。大笑いしながら、ふと松浦弥太郎さんのエッセイで読んだ習慣ことを思い出した。それは一日に100回「ありがとう」と言うこと。身に起こるさまざまなことにありがとうと言うことで、謙虚になれるというものだ。これは素敵な習慣だ、と思い、何日か意識して試したけれど、100回は数えられずにうやむやになった。

 

夜、寝る前に今日あった「うれしかったこと」「楽しかったこと」「しあわせだと思ったこと」を3つ選んで眠りにつくことを習慣にしていると彼は言う。「正直」「親切」「素直」「今日もていねいに」をモットーに生きる彼らしい素敵な習慣だ。その習慣から生まれた言葉を集めてできたのがこのエッセイ集。

 

他人にとっての「しあわせ」が、自分にも同じように当てはまるかどうかは分からない。自分は何とも思わないかもしれない。しかし、他の誰もが何とも思わないようなことに、自分だけが「しあわせ」を感じるということもあるかもしれない。著者の「しあわせ」に触れることで、自分の「あ、もしかして自分、しあわせかも」に気づけたら最高だ。