百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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久奈屋の一筆箋

 

 

定期便や選書便の利用者、ウェブショップで買い物をしていただいた方への簡単なメッセージは、久奈屋の一筆箋に書いている。自営を始めたばかりのころは決めておらず、あっちこっちいろいろな紙を使っていたけれど、ある時、この一筆箋に統一させようと決めた。

 

季節をあまり気にせずどんどんと使えるのは、「アメノロック」と「カゼノロック」の二つ。種田山頭火の俳句がモチーフのこの絵柄、特に「アメノロック」はシャープな月と丸みをおびたゼンマイの対比がきれいで、重宝している。雨の多くじめじめした空気に苦手意識を感じながらも、6月生まれの自分はその季節が楽しみでもある、そんなストーリーを思い描くきれいな絵柄だ。

 

最近は「十二箇月の手紙」という月ごとに絵柄が変わるシリーズがあって、楽しみにしている。「初霜月」=陰暦で10月の一筆箋には、かっちりとした枠と温かさを感じるコーヒーが、「寝覚月」=陰暦で9月の一筆箋には、くびれた有機的な枠に満月と招き猫が描かれ、どれも目をひく。本当はその月の一筆箋を選んで贈らなければ、と思っているのだけれど、今は、多少月がずれても気にしなくなった。

 

■紙文具拵処 久奈屋

hisanaya.net