百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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通勤電車でよむ詩集

通勤電車でよむ詩集/小池昌代編著 NHK出版

 

平日は毎日電車に乗って通勤している。電車内では、本を読んで過ごすと決めている。なんでかと聞かれると、理由の半分以上はカッコつけなのだけれど、精神的な負担が少なくなる、という理由もある。

 

スマホを見たい時もたまにはあるけれど、電車内はもちろん、駅のホームでもスマホはかばんから出さないというのを自分ルールにしている。本を読むのは、スマホを見ている大半の人と同じになりたくないという気持ちからだ。時代が変わって、電車内の人の99%が本を読むようになったら(なるとはとても思えないけれど)、今度は本を読むのをやめるかもしれない。

 

読む本はエッセイが多いけれど、詩集も良い。どうせそれほど長い時間ではない。サクッと読めるし、よく噛んで味わうように何度も読むのが楽しい詩集は、通勤時間にぴったりだ。どんなに本に集中しようとしても、私は電車内では一人の時間を楽しむ余裕がない。周囲の人が気になってしまう。だから口が裂けても「自由な時間を楽しめるから通勤時間の読書は最高!」なんて言わない。本でも読んでるか、でなけば目を閉じてじっとしているかしないと過ごせないから仕方なく読んでいる。電車内にストレスはつきものだ。

 

だから私は、こうした詩のアンソロジーを読んで、ゆっくり言葉を味わっているうちに目的の駅に着いていた、なんてことを期待する。