仕事するのにオフィスはいらない ノマドワーキングのすすめ/佐々木俊尚 光文社
オフィスに皆で集まって業務を行うことだけが仕事ではない。これからはひとつの場所に集まるだけでなく、一人一人がそれぞれの場所を持ち、自由に仕事をする時代だ。そのためのツールはたくさん開発されている。何年も前からビジネスはこうした流れになってきていた。その流れに乗って、場所という制限にとらわれずに仕事をするビジネスマンは一定数、いたと思う。しかし感染症がこれほど流行して、そうした働き方に近いものを皆が一斉に取り入れなければならなくなるとは、誰も予想できなかっただろう。
オフィスはいらない。しかしその代わり何が必要かを確認せよ。小飼弾氏が著書「空気を読むな、本を読め。」の中の「小飼弾が選ぶ最強の100冊＋1」というコーナーで、本書をこのように紹介していたのが印象的だった。集まらなくて良い代わりに、いままで必要とされなかったスキルが必要になる。異なる場所にいる相手にも情報を正確に伝えるコミュニケーション能力。上司の目がなくてもサボらず集中できるセルフマネジメント力。周囲の環境がいつもと違ってもいつも通りのパフォーマンスを発揮するための体調管理。さまざまな能力を、もっていて当たり前の世界になってきているように感じる。
