百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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アァルトの椅子と小さな家

アァルトの椅子と小さな家/堀井和子 河出文庫

 

下北沢のBOOKSHOP TRAVELLERで古本を漁っていて、目に入った本がある。たくさんの本が並ぶ新刊書店に行ったのでは、きっと目につかないであろう文庫本。そういう予期せぬ本に出会う可能性が高いと感じるのが、セレクトブックショップ(自分で勝手にこう枠組みをつくっている)の良いところだ。

 

海外への旅にまつわる日記を集めたエッセイ集は、1999~2000年に刊行されたものを再構成して文庫化したもの。20年以上前の紀行文であっても、じっくりと読むことができるのは、登場する家具やテキスタイル、料理といったものが普遍的で、時代を経ても飽きが来ないものだからか。本書で知ったピア・ヴァレンのリバーシブルのブランケットを、いつか冬のインテリアとして迎え入れたいと思った。