百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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幸福論

詩集 幸福論/若松英輔 亜紀書房

 

若松英輔の詩集のなかでも、特にタイトルと詩の内容との強烈な結びつきを感じた1冊。自分にとっての「幸福論」とは何かということが、冒頭の4つの詩を読んで心に刻まれたように感じた。「余白」「多忙な人」「幸福論」「鞭を打つ」。この4つの詩を、声に出してゆっくり読んで、心に到来したものを味わっただけで、この本を手に取った価値があったと思った。忙しくあろう、自分に鞭を打ってより行動的であろう、としていた自分がどれだけ愚かだったか。

 

世の中が

仕事と呼ぶものに

心を

奪われては いけない

(多忙な人)