百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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A River

A River/Marc Martin

 

2年前まで住んでいた千葉では、自宅のすぐ近くに川があった。週末、ジョギングをしようと走り出すときは、コースにこの川沿いの道を選んだ。信号もなく、止まらずに自分のペースで走りやすい、という理由ももちろんあるけれど、一番は、水が流れるすぐ近くを走るのが気持ち良かったからだと今では確信している。

 

川の近くというと、今では豪雨で河川が氾濫し、水があふれて危険、というネガティブなイメージもつきまとう。しかし少なくとも自分にはそのような印象はなく、さらさらと流れる水のように、先を争わずに身を委ねていよう、と意識することができる。「なるようにしかならない」飽きるほど聞く言葉だけれど、その通りなのだと思う。

 

4年くらい前。毎月絵本が自宅に届く定期便を申し込んだ、初期の頃に届いた絵本だったと記憶している。活版印刷のような凹凸のある表紙が特徴のこの絵本。街中を、畑の中を、ジャングルを。縦横無尽に川が流れ、そこに船を浮かべて乗っている女性がいる。その川はやがて滝を越えて海へとたどり着く。そしてさらにその先には・・・。頭に広がる空想の世界は現実を越えてどんどんと広がっていく。これぞ絵本の醍醐味!