百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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条文の読み方

条文の読み方 第2版/法制執務・法令用語研究会 有斐閣

 

平日昼間は法科大学院で、法曹になるべく学ぶ学生を支援する仕事をしている。OBOGの実務家の方々の協力を得ながら、司法試験に合格できる法的な知識を授ける、その講座運営をする立場だ。改めて法律の世界を覗くと、その守備範囲の広さ、奥の深さに気づく。どんなに学んでも先が見えないような、広く長い洞窟に入っていくような感覚だ。怖気付かずに学び続け、司法試験に合格し、法律家となる若者は、本当に凄いと思う。

 

法律を学ぶ上で大切な姿勢を、その仕事中に知った。それは、「条文を軸に考える」ということ。日本には緻密につくられた法律の「条文」がある。事実としての判例から学ぶことも大事だけれど、判例に気を取られて条文をおろそかにすると内容のない議論になってしまう。条文をきちんと読み、解釈をし、与えられた状況を適切に評価し、結論を導く。それを丁寧にこなしていく姿勢が、法律家には求められる。「条文の読み方」を一から読んで、難しくて目がくらくらしそうな条文を、丁寧に読み解く姿勢を身につけたい。それは法曹を目指す目指さないに関係なく、日々の暮らしにも役立つ姿勢だと思うからだ。