百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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サンドイッチブルース

サンドイッチブルース/森田三和 ループ舎

 

自営業の本屋ブログでできる限り毎日、本の紹介と、日記のようなミニエッセイを書こう、と決めたのは、昨年の8月のこと。自然体で書かれたエッセイ、日記集を読んで、そのようなテキストを残したいという想いを経たからだと振り返る。ただ、他人のためになる文章を書く能力が自分にあるとは思っていないので、どちらかというと他人のためというより自分のために書いている、と言った方がしっくりくる。10年が経ち20年が経ち、30年が経った時に、綴られた言葉を読み返して、そんな日もあったなぁ、当時はそんなことを考えていたのか、と思い出し、先を生きる糧にできたら素敵だろう。そんな想いで書いている。

 

「サンドイッチブルース」が、私に毎日文章を書くという営みを授けてくれたその本だ。奈良でサンドイッチをつくる「ミアズブレッド」店主によるエッセイ集。と思ったら、裏面(side B)からページをめくると横書きの日記集になっている。寝ている時間がもったいない、なんて言いながら毎朝早起きして、朝食をがっつり食べ、サンドイッチをつくる。「次の日の朝ごはんを美味しく食べたくて一日を過ごしている」という。暮らしの中で何を楽しみに生きるかは人それぞれ。ただその「楽しみ」がないのが一番つらい。自分だけの「楽しみ」を見つけ、心の底から味わいたくなる、そんな一冊だ。