百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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100年たったら

100年たったら/文・石井睦美 絵・あべ弘士 アリス館

 

知人からオーダーを受けた絵本。仕入れた後さっと読んだら、想像を超えるスケール感に驚いた。

 

広い草原の中に一頭のライオンがいる。食べる動物ももういない。そんななか、小さな鳥がやってきて、ライオンに寄り添う。「私を食べたらいい」堂々としている鳥にびっくりし、食べずに一緒に過ごそうとするライオン。飛び立とうとする鳥はライオンに、ある約束をする・・・。

 

100年が経ち、また100年が経つ。こうして誰も気づかぬところで小さな約束が果たされる。鳥の言葉を真摯に受け止めて、待とうとするライオンの健気さが心を打った。待てる大人の人間でありたい。